BMW 4 Series Cabriolet 435i M Sports
’14/9乗車 8速AT
運転席、後部座席
Z4の乗り換え候補として試乗しました。
まず、車酔いに関してはしづらい種類の車だと思います。
揺れに関して、足の硬さを感じる瞬間はありますが、それ以外では大きくふわふわ揺れるということもなく、大丈夫でした。
少しだけ突き上げ感のある揺れをするのは気になりますが、そこまで影響はないと思います。
競合はベンツのEクラスカブリオレになると思うんですけど、Eクラスに比べると少し硬さを感じるといったところでしょうか。
しかしその分スポーティーなので、スポーティーさとラグジュアリーさの間で好みの問題と言った感じです。
ラグジュアリーにしっとりと乗るか、スポーティに走るかになります。
Eクラスと比べて視点が低いわけではないですが、スポーティに動けるので運転の仕方によっては酔うこともありそうです。
ただし車の背が低いわけではないので、「視点が低くなることで目が回り、車に酔う」ということはありませんでした。
あとはこの車もオープンカーなので、当然屋根を開けていれば通気性抜群で、臭いや暑苦しさで酔うこともないでしょう。
後部座席も窮屈でなく、成人男性が問題なく座れました。
厳密な寸法を測ったわけではないですが、なんだかEクラスカブリオレよりも広い印象を受けました。
この車でも後部座席で変な体制に体が固定されたりすることで酔うということもないと思います。
直列6気筒のエンジンなので振動まったく感じず、トランスミッションも8速ATで変速の揺れがまったくありませんでした。
そのため、車の造りとして酔いやすいという部分は非常に少ないです。
「スポーティなためついつい飛ばしてしまう」といったキャラクターの部分にさえ気をつけてさえいれば大丈夫でしょう。
車酔いする人でも問題なく乗れる車です。
さて車がどうなっているかという点に進んでいきます。
今回乗った車両はM Sportsというグレードで、内装は黒地に赤のレザーという仕様でした。
少々派手目ではありますが、写真で見るよりも良い感じに見えます。
ところどころのプラスチック製の部分も質感の高い樹脂を使っていて、車内は全体的に質感の高さを感じます。
このグレードはスポーティなグレードということで、ハンドルも太めのスポーティなものが付いていました。
このハンドルは女性だと太く感じることもあるそうですが、非常に握りやすく手になじみました。
そしてシートは座ると非常にしっくりなじみ、落ち着いて座れます。
足元が狭いということもなく、ひざがハンドルに当たるということもありません。
シートは電動でしたので、細かく調整でき、ドライビングポジションは良い感じに収まります。
そしてエンジンをかけると非常に上品に火が入ります。
そして走り出しても非常に滑らかに走り出し、走りの質の高さがわかります。
直6エンジンなのでまったく振動がなく、非常にスムーズで上品にエンジンが回ります。
アクセルを踏むにつれ非常に滑らかにエンジンの回転数が上がっていき、ぐんぐんスピードが上がっていきます。
率直に、どこまでも回したくなるエンジンです。
ターボのラグも感じず、下からの分厚いトルクが直6エンジンの滑らかさを際立てます。
ハンドリングについても前後の重量バランスのよさから、気持ちよく車を動かせます。
ドライバーとして運転するのであれば非常に気持ちの良い車です。
風を感じ、陽を感じ、駆け抜ける喜びを楽しむ。そんな乗り方がピッタリきます。
さて、ここまでいいことばかり挙げましたが、良くないところもあります。
まず非常に滑らかな直6エンジンですが、直6エンジン特有のの重ったるさは存在します。
極低回転域、特にアクセルが完全にオフの状態から踏み込んだ瞬間や、停車状態からの急発進では、ほんの一瞬ですが直6の重さを感じます。
そしてターボエンジンなので、普段はターボラグを感じることはありませんが、アクセルオフで慣性走行の状態から一気に踏み込んだりすると、直6の重ったるさとあわせて、ターボラグが出てきます。
車重が1.7t ほどあり、重めの車なのでどうしても瞬間的な出足に遅れが出てしまうのは仕方のないことではありますが、人によっては気になることもあるかもしれません。
ただしラグは非常に短いですし、エンジン自体も非常に優秀で、トランスミッションもロックアップされるので他の車よりも優秀なのは間違いないです。
とりあえず普通に運転している分には気にはならないでしょう。
低回転域ではどうしても大排気量の自然吸気エンジンのようなレスポンスではないというだけです。
そして好みの問題にはなりますが、エンジンそのものとしてハイレスポンスな高回転型のエンジンではないという点も挙げておきます。
カミソリレスポンスのピーキーな楽しさよりも、滑らかに回る上質感と駆け抜ける気持ち良さ、乗りやすさの方を向いています。
キャラクターとしてもガチャガチャのレーシーなスポーティーさではなく、さわやかに駆け抜けるタイプのスポーティーさを持ったキャラクターをしています。
エンジンのサウンドも直6の繋がりのある音をしています。
これについては高音の突き抜ける音や、バリバリと割れのある音など好みの問題になりますが。
次に車重が重めなことがいまいちポイントです。
シャカリキにかっ飛ばす車ではないですし、安定感も高く気持ちの良い運転はできます。
しかし重さがあることによるコーナーでの振り回しにくさというのが気にはなります。
やはりラグジュアリースポーツといった感じでしょう。
あとは気になった点はなく、見切りも良く運転しやすいです。
オープンにしていても風の巻き込みは少なく、積極的に屋根をあけていけます。
今回の車両は右ハンドルでしたが、ペダルの位置、フィーリングも違和感なく、右ハンドルでも全然問題なし。
気持ちよく流す、そういう運転にはもってこいの車です。
あとは実用性。上でも上げましたが後部座席は広いので大人が4人乗れます。
ワンマイルシートではありません。
そしてトランクも広く、オープンにしてもある程度のスペースは確保されていて、さらにトランクスルーもあり日常の使用には十分な荷物が載せられます。
また外見もいい感じです。
この車屋根はメタルトップで幌ではないんですが、屋根を閉じていてもメタルトップのオープンカーにありがちなずんぐりむっくり感があまりありません。
当然オープン状態のほうがかっこいいですが。
寸法も横幅が1825mmと、最近の車としてはそこまで大きいわけではなく、それでいて存在感のあるデザインになっています。
先代の3シリーズ(4シリーズの先代は3シリーズのクーペ・カブリオレ)に比べ横幅が45mm増なので、決して小さいわけではないので路地とかは大変かもしれませんが。
最後に、今回乗った車両にはヘッドアップディスプレイがついていました。
ヘッドアップディスプレイはこれが初遭遇。
意外と視認性が良く、常にスピードが表示されていたんですが、見やすく便利でした。
視線を進行方向から外すことなく速度の確認ができ、前の車が急ブレーキを踏んだことで車間がつまるとアラートが表示されたりと、機能性抜群でした。
それでいて運転の邪魔にならないように表示されていたので、視界に入っていても気にならず、これはオススメの装備です。
今回試乗して感じたことは、車そのものは「駆け抜ける喜び」を意識して作られていて、HUDなどの装備も運転のサポートに、エンジンのフィーリングなども運転の気持ちよさに、と運転することに重きが置かれているであるという車です。
それでいて実用性もあるので、オススメできる車種になります。
ちなみにオススメできる車種なんですが、嫁に「ハンドルが太くて私の手では握りづらい」「ちょっと横幅が大きい、細い道だと運転しづらい」と言われ、乗り換え候補落ちしてしまいました。笑